『世界で一番ジミー・ペイジになろうとした男 (Guitar magazine)』
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50歳で脱サラ、そして単身渡米、
ジミー・ペイジに憧れたギタリストの飽くなき挑戦
高校生の頃に初めて聴いたジミー・ペイジのレッド・ツェッペリン。本書の主人公であるジミー桜井は、少しでも本物に近づくために、ペイジの奏法、使用機材を研究し続ける日々を送っていた。いつしかそれはコピーの範疇を越え、自ら“リバイバル"(再現、再生・蘇生)を提唱するようになる。磨いた腕を試すべく50歳にして楽器メーカーを脱サラし、愛する妻を残して単身渡米。その先に待っていたのは、片道25時間の過酷なロード・ツアー、はたまた日本とは異なる華やかなトリビュート・バンドの市場だった。彼の抱いた夢は高校生の頃から何ひとつ変わっていない。そう、世界一のジミー・ペイジになることだ。
本書はジミー・ペイジを追いかけ続けたひとりのギタリストの挑戦を記した自叙伝です。実際にジミー・ペイジ本人からもその演奏を認められ、現在はジェイソン・ボーナム(レッド・ツェッペリンのオリジナル・メンバーであるジョン・ボーナムの息子)のバンドの一員に大抜擢されるなど、今や世界中のツェッペリン・ファンから注目を浴びています。
とは言え、本書に記されているように、50歳までの彼の生き方は、ごく普通のギターキッズやロック少年、はたまたバンドか就職かと悩む若者や、週末のリハとライブに情熱を注ぐ社会人バンドマンと同じでした。かつてはツェッペリンのいちフォロワーでしかなかった人間が、今この瞬間にも世界の舞台でギターを弾いている事実……そして、ジミー桜井が貫くジミー・ペイジ道の先には、オリジナル・バンドを結成してメジャー・デビューすることだけが正解ではなく、従来とは異なる新たなギター・ヒーローのカタチみたいなものも見えてくるのではないでしょうか? 何より、音楽を志す人の多くが経験する誰かの模倣やコピー、再現の類だってれっきとした表現たるのだという彼の主張は、世のアマチュア・ギタリストを鼓舞する力強い味方になり得るはずです。
ジミー・ペイジのサウンドを再現するために、ペイジ本人とできるだけ同じ機材を使うというのも彼のポリシーで、今や数千万円の値を付ける1959年製のギブソン・レス・ポール・スタンダードを始めとする、こだわりのギター・コレクションを紹介するコーナーも必見です。
【本の内容】
●第一章 レッド・ツェッペリンに憧れて
少年時代/音楽の原体験/エレキ・ギターに開眼/地元で一番のギタリスト/レッド・ツェッペリンとの出会い/「コピー以上」を目指して/籾殻だらけのリハーサル・スタジオ/なぜジミー・ペイジだったのか
●第二章 ジミー・ペイジに向かう道
ペイジか、プロか、就職か/レイラ再び、上京再び/楽器業界での貴重な体験/ペイジのファズを作った男、ロジャー・メイヤー/ツェッペリンの原風景、イギリス/MR・JIMMY結成/可能性を再現するということ/再現芸術を阻む高い壁
●第三章 すべて楽器が教えてくれる
仕事とペイジ・サウンド研究の日々/ビンテージのサンバースト・レス・ポール/それでも何かが欠けている/ピックアップを解き明かせ/MR・JIMMYピックアップ/アンプ分析の底なし沼
●第四章 飛躍へのステップ
ジミー桜井を知ってるかい?/ペイジ風ギターの監修とシグネチャー・モデル/世界への布石、ヴォンゼップ/ニアミス/運命の分かれ道/ジミー・ペイジはあのドアを開けるのか/ミラクルな後日談
●第五章 運命を賭したアメリカ進出
確かな手応え、そして不安/プレイズ・ザ・ファームとザ・ブーズ/真夏のトライアル・ツアー/全米生中継/レッド・ツェッパゲイン加入を決めた使命感/渡米へのハードル、突破へのサポート/でかいぞアメリカ、過酷なロード/ミュージック・プロデューサーとして
●第六章 次なる夢への決断
栄光なき初陣/ペイジ探求を深めたレコーディング/究極の黒い龍を求めて/もっと究極の黒い龍を求めて/遠く霞む夢/もしも幻の夜があったなら/最終チェックポイント/胸いっぱいの愛を
●第七章 リバイバル・バンドの挑戦
危機一髪のビザ更新/新生MR・JIMMY/ゼロからのスタート/狂熱のウィスキー・ア・ゴー・ゴー/未来を拓く同志たち
●第八章 もっとペイジらしく、もっと自分らしく
レッド・ツェッペリンの血脈、ジェイソン・ボーナム/未知の体験/ヒーローたちのプレゼント/ギターが踊るストーリー/ペイジがくれたアイデンティティ
●MR.JIMMY's Gear Collection